「アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)」の思ひで…

 

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今日は,オーストリア風アップルパイを作ってみました.

 

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アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)は生地に特徴があるオーストリアの焼き菓子です.

 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 材料

 

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長さ30㎝くらいのものが1本出来上がります.8人分くらいありますが,ラップで包むなどして冷蔵庫で3日くらいは保存できます.
  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 作り方 

(ブログ記事下の方の)メモに途中経過の写真などを掲載しているので,参考にしてください.

 

フィリングとなるリンゴとパン粉を作ります.

【リンゴのフィリング】
(1)ホウロウ鍋に皮をむいて1-2㎝角に切ったリンゴ,砂糖,水(分量外,大1程度),シナモンパウダーをいれ,ジューと音がしてきたら,蓋をして弱火で10分程度.
水分が出て来たら,蓋を取り,水気が無くなるくらいまで火を通す(20分くらい).
(2)きざんだクルミを加え,粗熱を取っておく.

【フィリングのパン粉】
(1)フライパンにパン粉を入れきつね色になるまで火を通す.きつね色になったら火を止め,溶かしバターを大2程度かけ全体を混ぜる.粗熱を取っておく.

 

【生地】
(1)ボウルに粉類を入れ,泡だて器で混ぜダマをなくす.そこへ溶き卵とサラダ油を混ぜたものを加え,水を分量の1/2程度加え手で混ぜる.
(2)生地の固さを見ながら,水を加えていく(今回は全部で60mlほど加えました).
(3)生地を持ち上げボウルに打ち付けるようにこね,生地がひとまとまりになったら,打ち粉をした台に出して15分ほどこねる.
(4)表面が滑らかになったらサラダ油を塗った保存容器に入れ,表面にもサラダ油を塗り乾燥しないように蓋をして生地を寝かせる.

生地は室温で2時間くらいは寝かせたほうが良いと思います.今回は冷蔵庫で1晩寝かせ,伸ばす前に室温に戻したものを使いました.

 

【生地をのばす】
うすく伸ばした生地を乗せるためクッキングシートを用意します.50㎝くらいの長さのクッキングシートを2枚切り出し,左右に並べ溶かしバターを塗っておいてください.

(1)打ち粉をした台に生地を出し4等分する.そのうちの一つを麺棒でのばし,ある程度薄くなったら表面に溶かしバターを塗って,手で軽く引っ張りながら生地を薄く伸ばしていく.
手の甲を使い,破れないように注意しながら少しずつ伸ばしていく.中心から伸ばしていくと破れにくいです.(腕全体に生地をひっかけて,もう片方の手でゆっくり伸ばす感じで...)
ある程度伸びたら,クッキングシートの上において引っ張って伸ばす.
(2)伸ばし終わった生地の表面に溶かしバターを塗る.
残り3つの生地も同様に薄く伸ばし,生地を重ねていく.

 

オーブンを200℃に予熱する.

 

(3)再び溶かしバターを振りかけた生地にフィリングを乗せる.
約半分の面に準備したパン粉を均一にふりかける.リンゴ(全量)は生地の手前に幅5㎝くらいに盛る.
(4)手前からリンゴフィリングを包み端を内側に折る.クッキングシートを持ち上げるようにして,残りの生地を巻き付けていく.
閉じ終わりをしたにし,端をしっかりと封じ(軽くねじる),生地の下へ織り込む.ベーキングペーパーを持ってシュトゥルーデルを持ち上げ、天板に移す.
(5)表面に溶かしバターを塗り,ハサミで(大胆に)切り込みを数か所入れる

 

200℃のオーブンで約30分焼く.途中で生地表面に(3~4回くらい)バターを塗りながら焼く.

オーブンから取り出し、冷めるまで放置し、冷めたら粉糖を振りかける.

 

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フィリングのリンゴ

 

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レーズンを入れない分,皮を付けたままのリンゴも加え少し食感に違いを出しました.
リンゴは酸味のある品種を使った方がよいみたいですが,スーパーでも買いやすいサンふじとジョナゴールドで作りました.フィリングの砂糖を通常よりも少なめにしています.
詰め物は火を通さず,生のリンゴと柔らかく戻したレーズンを使うこともあります.

フィリングは前日に作って冷蔵庫で保存しておけます.その場合は生地にのせる前に室温にしてください.

 

アプフェルシュトゥルーデルを作るときには、下に新聞紙を置いて読めるくらいまで薄く伸ばした生地でリンゴを包むのが望ましいとされ,昔は『生地をうすーく伸ばせない女性は結婚できない!』なんて言われたりしたそうですよ.

 

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上手く伸ばせたかな!??生地をのばすときは指先で穴をあけてしまわないように…特に人差し指に注意です!! でも,穴が開いてしまっても大丈夫.くるくる巻くので隠れます.
今回のように生地を4等分してうすく伸ばしフィリングを巻く場合は,閉じ口と巻き終わりに注意してください!

 

オーストリアのレシピでは,生地をのばす際に『大きな布を広げて生地にも軽く打ち粉をし、寝かしておいた生地を麺棒を使って伸ばす。横40cm程、縦70cm~80cm…』とありますが,そういう大きさはスペース的にも技術的にも難しいので...4等分くらいにした生地をそれぞれ薄く延ばしました.

 

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この作り方でも,サクサク生地になりましたよ♪ それぞれ,バターをしっかりと塗って重ねることがポイントです.
詰め物を乗せたらクッキングシートを持ち上げて巻きます.

 

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今回は…200℃で30分.焼きすぎました.

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全体がしっかりきつね色になってしまいました.こんなに焼き色を付けず,表面に少し焼き色が付く程度で良いと思います.
サクサクぱりぱりにできましたが,サクサクすぎて切り分ける時に崩れそうでした.クリームと合わせると少ししっとりしました.焼きすぎシュトゥルーデルでしたが,冷えてもパリパリでした.


ラップに包めば冷蔵庫で3-4日保存できます.4日目,冷蔵庫で保存していたシュトゥルーデルをレンジで1分ほど温め食べてみると…ウィーンのカフェで食べた『シナっとしたシュトゥルーデル』に近くなっていました.
こちらがウィーンで食べたシュトゥルーデルたち.

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左上がアプフェルシュトゥルーデル,右上はザッハートルテです.

 

フィリングのリンゴや生地の層などカフェによって様々です.このタイプは焼き色もしっかり付いています”

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パン粉もたっぷりで,自分で作ったアップルシュトゥルーデルに近いと思います.

 

粉糖とクリームを添えて…

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バニラソースやアイスを添えても美味しく食べることができます.初めて作る時はちょっと大変ですが...ぜひ作ってみてください♪  

 

つぎは何を食べようかなぁ...

  


【参考ホームページ・参照文献】

Kompass Karten(2013)「オーストリアの名物料理」(ISBN 978-3-85026-154-8).