【更新日:2018年5月】
今日は,オーストリアの有名なケーキ「ザッハートルテ」をイメージしたお菓子を作ってみました.
材料
チョコレートグレーズは生地の半量をケーキにする場合の分量です.直径5㎝くらいのケーキが5個作れます.
作り方
【チョコレート生地を作る】
(1)チョコレートを湯せんで溶かす.
(2)バターを柔らかくし,砂糖を少しずつ加えながら泡だて器で空気を含ませるように混ぜる.砂糖が混ざって白っぽくなったら溶き卵を3回くらいに分けて入れ,その都度よく混ぜる.
(3)(2)に(1)のチョコレートを加えヘラでしっかり混ぜ,粉類をふるいながら入れる.
*オーブンを170℃に予熱する
(4)オーブンの天板にオーブンシートをしき,生地を流し込み(ヘラなどを使って)2㎝くらいの厚さにととのえる(型に入れて焼いても良いです).
(5)170℃で20分程度焼く.生地が焼けたら粗熱を取る.粗熱が取れたら上下をオーブンシートで挟み(天板を重しにしてもいいと思います),生地が平らになるようにして冷ます.
(6)直径5㎝くらいの型で生地を抜く(生地2枚でケーキ1つになります).
【チョコレートグレーズ(生地の半量をケーキにする場合の分量です)】
(7)型抜きした生地に温めたアプリコットジャムを生地に塗り,生地を重ね,生地の上面と側面にもジャムを塗る.
(8)鍋にグラニュー糖と水を入れグラニュー糖を溶かし,2分くらいに詰める.ボウルに移して粗熱を取る.粗熱が取れたら,きざんだチョコレートを入れ良く混ぜ溶かす.
(9)(8)をケーキの上からかけ,パレットナイフなどでチョコレートを塗り広げて表面をなめらかに慣らす.室温においてコーティングを固める.
メモ
チョコレート生地だけをおやつとして食べても♪
作り方(7)はこんな感じです.
網の下にバットなどを用意しておくとチョコレートグレーズをかける時に便利です.
(8)の工程でグラニュー糖の煮詰め具合に失敗すると…
スポンジ生地をうまくコーティングできません.鍋の大きさや火加減によって煮詰まる速度が変わってくると思うので,2分というのは目安にしてください.砂糖液が熱すぎるとチョコレートが分離し,また煮詰めすぎると粘りが出てしまいます.
ザッハートルテとして紹介されているレシピの多くは,メレンゲで生地を膨らませます.溶かしバターに粉糖,バニラビーンズ,卵黄を加えてよく混ぜたところに湯せんで溶かしたチョコレートを加え,そこに粉糖を入れた卵白をしっかりと泡立てたメレンゲを加え,最後に粉類を加えて生地を作ります.焼き時間は1時間くらいかかります.
そして,焼きあがった生地を慎重に半分に切り,そこへアプリコットジャムを塗るため,水平に2等分する必要もあります(生地の真ん中にもアプリコットジャムを塗るのはデーメル風のザッハートルテです).
今回のように薄く焼いた生地を重ねることで簡単にケーキを組み立てることができます.なお,(7)で生地の上面や側面にもジャムを塗る場合は,温めたジャムを濾した方が綺麗に仕上がります.
オーストリアの有名なケーキ,ザッハートルテのオリジナルレシピはザッハー家によって秘密にされています.ザッハーの料理本においてもこのケーキのオリジナルレシピを公開していないのだとか…本物”のザッハートルテを作ることはできませんが,今回のようにザッハー風ケーキを作って楽しむことはできます.
ザッハートルテ
ザッハーが作るザッハートルテはカフェで味わうだけではなく,お土産用としても人気でサイズも何種類かあります.日本へ発送することもできたと思います.
フランツ・ザッハーが1832年に創りだしたシンプルなケーキ.このケーキを有名にしたのは息子エドワルドです.
ウィーンを代表するケーキ,ザッハートルテは“どちらが本家か”を巡ってザッハーとデーメルで訴訟になったこともあります.1930年ザッハーが経営危機に陥ったとき,デーメルが助ける代わりにデーメルでもザッハートルテをつくることを許したのですが,数年後,ザッハーは「デーメルがオリジナル・ザッハートルテ」として販売するのは権利の侵害だとして差し止めを求める裁判を起こしたのだとか.なんと裁判は約10年も続きました.結局は,どちらの店も生産,販売してよいが,オリジナルの表示はザッハーになったようです.
どちらの店でもザッハートルテを販売しており,味比べができます♪
ザッハー:あんずジャムの酸味が特徴
デーメル:チョコレート本来の味が楽しめる
という特徴があります.
というより,他のカフェでも(そして日本のケーキ屋さんでも)ザッハートルテを食べることができます.
ウィーン中で製造・販売されているザッハートルテ.
オリジナルだけにこだわるのではなく,いろんなお店のザッハートルテを食べ比べてください.
つぎは何を食べようかなぁ...