【更新日:2017年10月】
今日はオーストリア料理「リントグヤーシュ(牛肉のグラーシュ)」を作ってみました.
材料
3から4人分です.
作り方
(1)玉ねぎ(みじん切り)と澄ましバターを鍋に入れ,あめ色になるまで炒める(玉ねぎが焦げ付きそうなときは,分量のブイヨンを少し加える).
(2)肉(大き目の一口大),つぶしたニンニク,パプリカパウダー,ビネガー,大さじ5くらいのブイヨンを加える.
(3)ハーブ類を加え,蓋をする.ブイヨンを追加しながら弱火で1時間くらい煮込む(または圧力鍋で20分).
(4)残りのブイヨンとトマトペーストを加え混ぜ,塩こしょうで味を調える.
(5)10分ほどとろ火で煮込む.
メモ
牛モモは脂の少ない煮込み用の肉を使っています.
作り置きができる料理です.この日は前日に作り,一晩冷蔵庫に置きました.
付け合わせにはジャガイモ団子がお勧めです.
今回は圧力鍋を使ってみました((3)の工程においてです).
高圧で20分です.
肉は繊維が残るがほぐれやすくなりました.玉ねぎは溶けて,普通に煮込むよりもいい感じだと思います.水分が蒸発しない分,スープっぽい仕上がりになります.
Gulyás
パプリカと牛肉の煮込み料理『Gulyás』(グーラッシュ,グヤーシュ)はハンガリーに起源があると言われています.
ドイツやオーストリア,チェコなど中東欧諸国で食べられている料理です.写真はチェコ,プラハで食べたグーラッシュ.
もっと野菜が入っていたり,サワークリームを加えたりなど,国,地域,家庭によってレシピに違いがあるようです.今回は牛肉を使ったグーラッシュ(Rindsgulasch)のレシピを紹介しました.
ハンガリーとパプリカ
グヤーシュだけではなくハンガリー料理に欠かせない食材,パプリカ.
ハンガリーの代表的なパプリカ料理には,パプリカの肉詰め「Töltött paprika」やソーセージ,ジャガイモと一緒に煮込んだ「Paprikás krumpli」などがあります.
パプリカはハンガリー語なんですよ!
首都,ブダペストから120Kmほど南に位置するカロチャという町.水分を多く含む地質はパプリカ栽培に適しています.70%がパプリカ農家なのだとか.カロチャでは9月に収穫期を迎え,パプリカ祭りも開催されます.
涼しい気候で育ったハンガリー産パプリカは糖分を多く含んでおり,他国で栽培されたパプリカに比べて甘みが強いそうです.ハンガリーはパプリカの品種改良にも取り組んでおり,30種類近くの品種があります.形や風味がそれぞれ異なり,辛味の違いが最も特徴的です.例えば,最も辛いパプリカを10とすると...8の辛さをもつのが「ツェルザパプリカ」.「チェレスニェパプリカ」はさくらんぼの意味を持つ名前ですが,辛味は強く7だそうです.「セゲディパプリカ」という品種は0で甘みのあるパプリカです.
ハンガリーで作っている代表的なパプリカは牛の角のような形をした品種で,多くはパウダー状に加工され香辛料(パプリカパウダー)として販売されます.
こんな感じの調味料です.日本でも購入できます.唐辛子のように見えますが,激辛のスパイスではありません!
パプリカパウダーにするには,収穫したパプリカを2ヶ月以上乾燥させてから加工します.ハンガリーでは4人家族の一般家庭では年間約1kgものパプリカの香辛料を消費すると言われており,料理以外だけではなくお菓子やパン作りにも使われています.
せっかく購入したパプリカパウダー.グーラッシュ以外にも活用したいですね.パプリカパウダーを使ってイワシのパプリカソテーを作りました.
つぎは何を食べようかなぁ...
Kompass Karten(2013)「オーストリアの名物料理」(ISBN 978-3-85026-154-8).